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神道の葬儀はほとんど仏式の葬儀と変わりません。香典ではなく玉串料を渡し、葬儀後の50日祭によって忌明けとします。神道の葬儀に参列、もしくは葬儀を行う際に最低限の知識をまとめました …
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神道の葬儀に参列する事は多くありません。
仏式と違う葬儀の特徴を絞れば「玉串」でしょう。玉串とは仏式の葬儀で言う焼香で、参列する誰もが行う儀式です。玉串の作法を知らず参加すれば困惑する事、間違いありません。
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神道とは
日本人の民族宗教と言えば神道です。
神社や正月の初詣で馴染みはあるものの「神道とは何か」知っている人は多くありません。神道とは、簡単に言えば自然や自然現象などにもとづく多神教です。八百万の神とも呼ばれ、日本を作ったとされる神話(古事記)でも沢山の神々が登場します。
実は宗教では珍しく開祖や教典もありません。まさに神道は神の道で、教えすら必要としない神道は、神の国と呼ばれる所以かもしれません。
神道の葬儀
現代で一般的な葬儀は仏教様式の葬儀です。
葬儀で注意しなければいけないのは、神道の死生観を理解する事でしょう。実は宗教によって異なり、一般的な仏教では極楽浄土へ送るために葬儀を行いますが、神道の葬儀では、故人を家の守護神とするための儀式という目的の違いがあります。
死は穢れ(けがれ)と捉えるため、神聖な神社では葬儀は行いません。神道の葬儀は「遷霊祭」(せんれいさい)と呼ばれ、故人の霊魂を遺体から、仏式の位牌にあたる霊璽(れいじ)に移し、「葬場祭」(そうじょうさい)で死の穢れを清め、故人を家の守護神として祀ります。
神道の葬儀に香典は?
仏教での焼香、キリスト教での献花のように、神道で故人への手向けとして行います。
玉串は榊の枝に紙をつけたもので、自分の心を玉串にのせて神にささげ、亡くなった方の御霊を慰める儀式のことを、玉串奉奠(たまぐしほうてん)と言います。そのため神道の葬儀では香典と呼ばず玉串料と呼びます。
香典の「香」はお線香の意味を表し「典」はお供えを意味します。同じように、玉串料は本来であればお金ではなく、玉串という榊の枝に紙垂や木綿の紙で作られた飾りを付けたものを、儀式で使うために自分で用意するのが本体の玉串でした。
しかし、専門的な玉串を急な葬儀で準備するのが困難なため神社が用意してくれる、そのお礼(謝礼)と言う事で玉串料という通例ができたのです。
玉串奉奠のやり方
玉串は、榊や杉、などの常緑樹の小枝に、紙垂(しで)や木綿を付けたものです。
神様に敬意を表し、神様の威光(神威)を受けることを願って捧げます。玉串の手順を紹介します。
- 根元の枝の方を右手で上から軽くにぎり、葉の先の方を左手で持ち、胸の高さで保ちます。
- 神前で一礼します。左手の上に玉串の葉の部分を載せ、右手を広げててのひらを返して、玉串を右に90度まわします。
- 左手を枝の方へおろし、右手は玉串の真ん中あたりを支えるように持ち、右へ半回転します。
- 根本を祭壇に向けて、玉串案に置きます。
葬儀に必要な玉串料の相場
香典と同じように玉串料には相場があります。
一般的な香典と相場は同じです。基本的に知人や友人、職場関係の場合は5000〜1万円、2親等の血族にあたる兄弟・姉妹の場合は、3~5万円、3親等であるおじ(伯父・叔父)とおば(伯母・伯母)の場合は、1~3万円、その他の親族、いとこに関しては3000〜1万円です。
年齢と関係性によって金額が高くなるので、この基本相場から増やしたり減らしたりします。香典の金額が少なかったと思い直したとしても、後からもう一度香典を渡しに行くという行為は厳禁です。結婚式の祝儀で別れ・離縁を想起させるため2や4など偶数の金額が厳禁とされているように、香典の場合後から追加で渡しに行くと「不幸が重なる」という意味になるからです。
もし、もっと金額を渡したいと思った場合は、50日祭の際に渡すと良いでしょう。その際、現金を包むとさらに香典返し・返礼品の連鎖に陥ってしまうため、お菓子などの供物やお花(供花)を贈った方が喜ばれます。
神道の葬儀のマナー
不祝儀袋にはさまざまな種類がありますが、神道では蓮の花の入っていないものを使います。
水引は黒白か双銀を選びます。表書きは「御霊前」「御玉串料」などが使われます。また、神道葬儀では、二礼二拍手一礼を基本としますが拍手の際は音を出さない、忍び手を用います。
葬儀の流れ
神道の葬儀は仏式の葬儀と同じく2日に渡って行われます。
葬儀1日目は通夜祭で、故人の御霊をご遺体から霊璽に移すための遷霊祭を行います。
葬儀2日目は5つの儀式から成り、仏式の葬儀と大きく流れは同じで告別式に当たる葬場祭を行い、火葬場で火葬祭を行い、遺骨を納める埋葬祭を行い、自宅で塩や手水で清めを行う帰家祭、神職や親族を招いて直会の儀(なおらいのぎ)と呼ばれる宴を行い、神事(葬儀)を行った後に通常の生活に戻りやすくします。
神道の葬儀後
神道の葬儀後に行う、仏教でいう法要があります。
葬儀の翌日に、自宅で霊璽(れいじ)やお墓に無事に葬儀が終わったことを知らせる翌日祭の他、亡くなった日から10日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続きます。五十日祭が忌明けにあたり、五十日祭の翌日に「清祓いの儀」を行い、いつもの生活に戻ります。
百日祭のあと、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭となります。
50日祭
50日祭は仏式の四十九日にあたるものです。
忌明けとなる斎日でもあり、大事な日です。清祓いの儀を行い、神棚や祖霊舎の白紙をはがします。50日祭と合わせて行うことが多い合祀祭では、故人の霊璽を祖霊舎に移します。故人の霊は祖霊と合祀されて、家の守護神(氏神)になると言われています。
忌明けは50日祭となるため、香典返しはこの日以後を目安に発送します。香典返しにあたっては、仏式での場合と同じように、挨拶状を添えて送ります。ただし、挨拶文の文面に「成仏」「冥福」「供養」など、仏教用語を使わないように注意しましょう。
神道の葬儀の相場
一般的に神道の葬儀は仏式の葬儀より安価だと言われています。
神道の場合も仏式と変わらず、依頼する神社(会場)によって違うので神道の葬儀を行う際に可能であれば複数から相見積もりを取るのがおすすめします。参加する人数や葬儀の内容によっても違いますが、一般的な相場は50万〜100万円と言われています。
ネットで葬儀社の一括見積もりサービスなどもあるので、条件を決め事前にチェックしておくのが賢い選択です。多くの場合、葬儀の費用は言い値で決まってしまい、同じ内容でも費用が2倍以上になる場合もあります。当然トラブルも多く発生しているのも忘れてはいけません。
神道の葬儀に必要な供物
神道の祭壇には、神饌、幣帛をお供えします。
案と呼ばれる白木の台の上に、三方を置き、その上に置かれます。神饌は御神酒、洗ったお米、水、塩、お餅のほかに、野菜や乾物、果物、魚、卵、菓子などの食べ物です。故人が好んだ食べ物を供えることもあります。
神饌の並べ方には順番があります。神様に近いところ、つまり、祭壇の高い方や中央の方、左右は、神様から見て左側が序列が高くなります。中央、左より、序列の高いものを並べていきます。一般的な序列は、米、酒、お餅、魚、乾物、野菜、果物、塩、水という順番になります。
まとめ
神道の葬儀は仏式と似ています。
参列する場合にも事前にチェックしておけば、マナー違反をする事はないでしょう。一方で、死生観の違いや50日祭については葬儀に参列、もしくは行う際には理解しておく必要があるでしょう。
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あとがき
神道の葬儀に特徴的なのは玉串です。
仏式で言う焼香ですから、皆が行います。この作法だけは参列する場合には要チェックです。
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