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ジャイナ教は世界で最も平和的な宗教です。ジャイナ教徒は不殺生を最も重視するため、食事も一苦労でしょう。一方でジャイナ教の一派には女性差別もあり、ジャイナ教だけでなくインド国内には根深い女性問題が続いている事にも言及しています …
ジャイナ教は仏教と同じ時、同じ場所に生まれました。
バラモン教をアンチテーゼとして生まれ、今もなおインドの民族宗教として根づいているジャイナ教とは何か、簡単に紹介してゆきます。
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ジャイナ教とは
ジャイナ教はインドの民族宗教です。
開祖をマハーヴィーラ(ヴァルダマーナ)とし、紀元前5〜6世紀頃にインドで生まれ、10年毎に行われるインドの国勢調査(Census 2011)によれば人口の0.7%(847万人)ほどジャイナ教徒は存在し、現在も信仰されている古い歴史を持つのがジャイナ教です。
仏教と同じ時代に始まったジャイナ教は、仏教と同じようにバラモン教への不満によって始まりました。ジャイナ教は輪廻に打ち勝ったと言われるジナの最後の生き残りであるマハーヴィーラが始めたインドの宗教運動(半バラモン主義運動)がジャイナ教の始まりだと言っていいでしょう。
ジャイナ教の特徴を簡単に言えばアヒンサーと呼ばれる不殺生です。ジャイナ教は全てのものに霊魂の存在を認め、その各々の霊魂が本質的に人間と同質のものだという認識を持っています。その根拠を仏教と同じ業(カルマ)の消滅と個人の救済としています。
ようは、諸聖典を知り、教義を信じ、禁欲と不殺生を倫理的に実践する事がジャイナ教の特徴でしょう。それが理由で世界で最も平和な宗教だと言われています。
ジャイナ教と仏教は何が違うのか
ジャイナ教と仏教はインドの同じ時期、同じ地方で発祥した事から当初は仏教の一派(姉妹宗教・双子宗教)だと言われていました。
実際に人生を苦であるという価値観を始め、輪廻転生、業、解脱、涅槃、戒律(特に五戒)など共通点も多く、ざっくり知りたい人に関しては原始仏教とほとんど同じと言っても良いのかもしれません。宗教学的(学術的)な違いはありますが、脱線してしまうので機会があれば記事にしたいと思っています。(要望があればコメントください)
ジャイナ教徒
ジャイナ教徒にはカッパと呼ばれる生活規則があり、五戒と呼ばれる戒律があります。
ジャイナ教徒が守るべき五戒は不殺生、不妄語、不盗、不淫、無所有の5つです。仏教徒(原始仏教)と違うのは5つ目の不飲酒と無所有の違いくらいでしょう。
- 生き物を殺すなかれ
- 偽りの言葉を語るな
- 与えられないものを取るな
- 淫事を行うなかれ
- 何も所有するなかれ(執着するなかれ)
ジャイナ教徒の五戒を簡単に言えば、こう言い換える事ができます。
その他にもジャイナ教徒は夜食が禁止されています。ジャイナ教では他の生き物を傷つけないように細心の注意を払っています。そのため、ジャイナ教徒の生活は嘘のような本当の話があります。
歩きながらどんな微小な生物でも足で踏み潰さないように注意します。目に見えないような極微動物を食べたり、飲み込んだりしないよう白いマスクをつけるジャイナ教徒もいるくらいです。
他にも、履物や靴を履いていると気づかぬ内に知らず知らず地上の虫を踏み潰す恐れがあるため出家者は皆、裸足という話さえあります。ジャイナ教徒には出家と在家があり、実際の程度は修行僧と言われる出家者ほど徹底されています。
そのため、在家信者である一般的なジャイナ教徒はジャイナ教の高僧の教えに従って道徳的な生活を送ればよいとされています。そのため五戒も緩やかに解釈されているので最後に紹介しておきます。
- 生物を死に至らしめるほどの粗暴な行為をしない
- 不実の言葉を発しない
- 与えられない物を受け取らない
- 自分の妻に満足する
- 所有を自らに限る
これらをより簡素化したジャイナ教の宗教生活の基本的心得を三宝(トリ・ラトナ)と呼び、正しい信仰、正しい知識、正しい行い、この3つによって解脱へと導かれるとジャイナ教徒に信仰されています。
ジャイナ教徒に金持ち(富裕層)が多いと言われる所以も、ジャイナ教の戒律のため商人を選ぶジャイナ教徒が多いためです。商人は右から左へ移すだけで利益となる仕事で金融業や小売業、近年ではIT技術者などは動かずとも商売ができます。
ジャイナ教徒は勤勉で、嘘をつかないので商売は必然的に上手くいきます。肉食などの贅沢もせず、飲酒もしないのでお金がますます貯まり金融業となる様相は、ヨーロッパのユダヤ人(ユダヤ教)を連想させます。
ジャイナ教の食事
ジャイナ教は食事(食物と飲み物)には注意します。
食事の基本は菜食主義(ベジタリアン)ですが、ジャイナ教が生活の土台となっているため、食事の規制事項があり、口に入れる食材に対して非常に気を遣います。また調理法も独特で、厳格なジャイナ教徒は、誤って虫を殺さないように、火を使って調理することを避け、調理と食事は日中(手元の明るい時間帯)に済ませるのが基本です。
食事の特徴は、生物全般が食材に使えないため、豆類、葉野菜と茎野菜(根菜以外)を中心とした食事になります。イスラム教のハラールと同じように、禁止された食材を調理した調理器具の併用や原料にもこだわります。
こういったジャイナ教徒の食事に関する誓いは「ウヴァーサガ・ダサーオー」に記載されていて、ジャイナ教の食事に関する禁止事項を抜粋しておきます。
- 芳香ある麦以外の粉を使用しない
- 一定量以上の洗い水を用いない
- 芦薈(ろかい)、サフラン、栴檀(せんだん)等以外の香料を用いない
- 香料を制限する
- 飲食物を制限する
- 菓子制限する
- 米飯を制限する
- 汁を制限する
- チーズを制限する
- 野菜よりなるカレーを制限する
- 酒を制限する
- 揚げ物を制限する
- 水を制限し、雨水以外には用いない
ジャイナ教の女性
ジャイナ教でも空衣派では、裸行のできない女性の解脱を認めていません。
話は少し逸れてしまいますがジャイナ教に関わらずインドでは女性への差別が未だに残っていると言われています。2018年に英トムソン・ロイター財団が女性問題について専門家550人から意見を聴き調査結果を発表しています。
女性にとってインドが最も危険とされる理由には、性暴力のほか家政婦の人身売買、労働や結婚、性労働の強制などが挙げられます。さらに酸攻撃の横行や女性器切除、児童婚、身体的虐待など、文化的な因習の影響も指摘されています。
7年前に実施した同様の調査でインドは4位だった。インドでは、2012年に首都ニューデリーのバス車内で女子学生が男たちの集団から性的暴行を受け、死亡した事件をきっかけに、性暴力の問題が表面化し国際ニュースとなっています。
政府の統計によると、現在も毎日約100件の性暴力が警察に通報されていると言われています。
現在のジャイナ教
現在のジャイナ教には空衣派と白衣派の大きく2つの宗派に分かれます。
簡単に言えば、空衣派は保守派で白衣派は革新派と言えますが、両派の違いは実践上の問題が主で、教理上の大きな違いはありません。しかし、その出家者の姿は一目でわかり、空衣派は裸行派(ディガンバラ)とも呼ばれ出家者が服を着ないのに対して、白衣派(シュヴェーターンバラ)の出家者は大抵白い布を纏っています。
まとめ
ジャイナ教は徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教です。
ジャイナ教の教義で有名なのは相対主義と断定(決めつけ)の回避です。簡単に言えば、真理は多様に言い表わせ、言い換える事が出来るという事です。正しい行いをしながらも他人には強制するような一方的な判断はしない、まさに理想的な人間の生き方の1つだと言っても良いかもしれません。
あとがき
ジャイナ教の教義は仏教と似ています。
釈迦と同じように真理表現の可能性を深く模索している宗教です。仏教も大乗仏教という思想が無ければここまで広がる事はなかったでしょう。もし仮にジャイナ教も世界宗教となって広がっていれば仏教と同じように様々な宗派が世界中に生まれていたのかもしれませんね。
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