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キリスト教の葬儀には服装だけでなく、独特なマナー違反という落とし穴があります。弔電やお花料などキリスト教の葬儀に参列する場合に押さえておくポイントをまとめました …(キリスト教の香典は別記事です)
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葬儀は通常よく経験するものではありません。
キリスト教の葬儀に参列したことがない人を始め、カトリックやプロテスタントなどキリスト教の宗派によっても葬儀の服装やマナーなども若干異なってきます。日本の場合、キリスト教の葬儀は少ないため、儀式に参列しても失敗しない服装とマナーを紹介します。事前にチェックしておきましょう。
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キリスト教とは
キリスト教とは世界で最も信者の多い宗教です。
その信者数は22億人を超え、日本全国に8千を超える教会があり、日本のキリスト教信者(クリスチャン)は人口の1%だという統計データ(文化庁による宗教統計調査)も残っています。
また、一口にキリスト教と言っても宗派は多くメジャーな宗派でも3つあります。その中で、日本でよく耳にするのがカトリックとプロテスタントという宗派です。
その違いは端折りますが、キリスト教の宗派に関わらず共通する経典は「聖書」です。実は聖書には、旧約聖書と新約聖書の2種があり、少し乱暴な言い方になりますが「聖書を信仰することによって人は救われる」というのがキリスト教です。(聖書などの詳しい説明はまたの機会に)
キリスト教の葬儀
キリスト教の葬儀は宗派や教会によって異なります。
ここでは一般的なキリスト教(カトリック・プロテスタント)の葬儀を紹介します。まず通夜のことをキリスト教では通夜の儀(カトリック)、前夜祭(プロテスタント)と呼び、神父や牧師によって執り行なわれます。また、香典のことを弔慰金と呼んでいます。
カトリックの葬儀の流れ
キリスト教の中でもカトリックは伝統や儀式を重んじる宗派のため、葬儀でもその特徴が表れています。入堂式・ミサ聖祭式・赦祈式の3つの儀式がカトリックの葬儀の特徴です。
- 祈祷
- 聖歌合唱
- 撒水(聖水を棺に注ぐ儀式)
- 撒香(香炉を振りながら棺の周囲を回り、故人の安息を祈る)
- 聖歌合唱
- 弔辞・弔電拝読
- 葬儀委員長・遺族代表挨拶
- 撒水
- 一般参列者の献花と賛美歌(聖歌)
- 出棺
プロテスタントの葬儀の流れ
キリスト教の中でもプロテスタントと言えば聖書と賛美歌、という象徴的な言葉が表すような特徴があり、献花が最後に行われます。
- 前奏(オルガンの賛美歌演奏)
- 讃美歌斉唱
- 聖書朗読
- 祈祷
- 讃美歌斉唱
- 牧師より故人の略歴披露
- 牧師による葬儀の辞(説教)
- 祈祷
- 讃美歌斉唱
- 弔辞・弔電拝読
- 後奏
- 遺族代表挨拶
- 献花(1人1本ずつ花をとって、順番に祭壇の上に置き故人とお別れをします)
一般的な葬儀(仏教様式)との違いは?
キリスト教の葬儀は一般的な仏教様式の葬儀と違います。
まず大きな違いとして、死に対しての考え方(死生観)の違いが挙げられます。仏教は四十九日を始め輪廻転生が基本的な考え方、一方でキリスト教は命は一度きりで死とは神のもとに帰り永遠の安息を得る事だという考え方から、仏式よりキリスト教の方がお悔やみ(悲しいという表現)を言わなかったり賛美歌を歌うなど明るい雰囲気がある葬儀だということを知っておきましょう。
また、キリスト教の宗派に関わらず葬儀での一般的なお声かけ(お悔やみ言葉)は「お知らせ頂き、ありがとうございます。安らかなお眠りをお祈り申し上げます」という表現を知っておいて損はありません。
キリスト教の葬儀で失敗しない服装
キリスト教の葬儀で失敗しない服装があります。
基本的には仏教様式と同じ考え方(地味な格好)で問題ありません。男性の服装であればストライプのパンツにモーニングコートですが略礼服(普通の黒系のスーツ)でも失礼ではありません。キリスト教の葬儀に関わらず、靴下も目立たない同系色を選ぶのが無難です。
女性の服装は肌を露出させないようなワンピースまたはスーツを選びましょう。ピンヒールのようにヒールが高く細いデザインやウェッジソールのようなカジュアルなデザインの物は避けましょう。パンプスのようなデザインの靴にしておくのが無難です。注意したいのはカトリック信者の女性だと教会内での正装(黒やグレーの帽子、黒やグレーのベール)があるためその限りではありません。
最後に、子供の服装は制服を着用するのが一般的です。制服のない場合は全体的に黒っぽい服装が落ち着いた印象を与えてくれます。
キリスト教に関わらず、一般的な葬儀の服装に関する考え方としてフォーマルな格好が求められます。普段のカジュアルなファッションで参列するのはマナー違反になってしまいます。当然、靴も好みのデザインや似合うかどうかといった基準で決めるのではなく、シーンにふさわしい物を選び葬儀に参列しましょう。
キリスト教の葬儀でやりがちなマナー違反
キリスト教の葬儀でやってしまいそうなマナー違反をまとめました。
日本のキリスト教信者数は人口のおおよそ1%です。そう考えると、多くの葬儀は、仏教様式となるため、致命的なマナー違反とならないよう葬儀に参列する際の注意ポイントをまとめました。
キリスト教の葬儀への弔電
弔電とは急な訃報でも対応できるため、やむを得ない理由で欠席しなければいけない時にとても便利です。
NTTのD-MAILなら19時までに申し込めば全国当日配達できます。キリスト教の葬儀は教会で行われるため弔電の送り先は教会、宛先は喪主というのが一般的です。しかし、キリスト教の葬儀へ弔電するのは注意が3つ必要です。
まず始めに弔電を送る際には台紙を選ぶのですが、線香などがついたセットは控えましょう。次に、キリスト教の葬儀で送る弔電には悲しみの言葉を使いませんので、気をつけましょう。最後に、キリスト教はカトリックとプロテスタントの違いによって、同じ発音でも、異なる漢字を使う言葉があります。
例えば、「しょうてん」がそれに当たります。カトリックは昇天、プロテスタントは召天となります。弔電サービスにお願いする場合、カトリックなのか、プロテスタントなのかを伝えるのを忘れないようにしましょう。弔電の文例を紹介しておきますので参考にどうぞ。
○○様の突然の昇天(召天)の報に接し、心より哀悼の意を捧げます。ご家族の皆様の上に主からの深い慰めと平安がありますよう、お祈りいたします。
○○様と私が出会えたことを深く神に感謝いたします。安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます。
神の御許に召されました○○様の、安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。
キリスト教の葬儀で準備する香典
キリスト教は宗派によって香典袋の書き方が少し違ったりします。
香典袋自体はコンビニやスーパーなどで買える無地のもので構いませんが、柄物には注意することがあります。百合の花や十字架の描かれている香典袋はキリスト教の葬儀で使う香典袋ですが、蓮の花が描かれている香典袋は仏教の葬儀で使う香典袋なのでマナー違反となります。
また、厳密にはキリスト教では一般的な香典のことを御花料と呼ぶため知っておいて損はありません。さて、香典袋の書き方ですが、カトリックやプロテスタントなど宗派共通の表書きは「御花料」です。キリスト教の香典について詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
キリスト教の葬儀に必要なお花料
一般的な葬儀にもお花料(お花代)を包みます。
供花(きょうか)の代金として香典(不祝儀)と別にお花料を渡す場合や香典の代わりとして渡す場合のどちらかです。お花料ではなく、生花などのフラワーアレンジメントやバスケットフラワー(籠花)を直接、葬儀会場に届けたり渡す場合もあります。
キリスト教の葬儀は、宗派に関わらずスタンドフラワーや花輪などを供花として用いることはなく、使用する花の種類も、洋花が中心となり、仏教や神道で使用される白菊は使わないのがマナーです。
また、キリスト教の葬儀は教会で執り行われることが多いため、通夜もしくは葬儀が始まる前までに、故人のご自宅か葬儀会場(教会)に届くように手配するのが無難です。届いた供花は、遺族が教会に運び、お供えします。
キリスト教の供花は、個人へ供えるというニュアンスより遺族への慰めとしいう意味合いが強いため、場合によっては遺族が供花を辞退するケースもあります。事前に遺族への確認を取ってから、送るのがマナーかもしれません。また、教会によっては、指定の花屋や花の種類など指定があることも考えられるため、事前に教会へ確認を取っておきましょう。
お花料の相場は、親戚で1.5〜3万円、知人で5千円〜1万円です。
キリスト教の葬儀は式次第
キリスト教の葬儀で失敗しない方法は結局のところ、式次第です。
こう言ってしまっては本末転倒かもしれませんが、キリスト教は宗派や教会によって儀式が違う場合もあります。事前にこの記事を読んでいる読者の皆さんはキリスト教の葬儀参列に必要な知識が備わっています。
後は、その知識をベースに自分なりの故人や遺族への配慮をアレンジすれば、未体験、もしくは久しぶりのキリスト教の葬儀でも安心して参列することができます。
まとめ
キリスト教の葬儀はとても神秘的です。
死生観の違いにより、日本で多くの人が経験する仏教様式の葬儀よりキリスト教様式の葬儀の方が幾分か気分が明るいためそう感じる人も少なくありません。キリスト教の葬儀に参加する前には、キリスト教独特の死に対する考え方を理解しておくのが葬儀で失敗しない方法の1つかもしれませんね。
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あとがき
葬儀参列は宗教に関わらず誰もが得意ではありません。
仏式の葬儀でさえ、参列していて次に何をするのか分かっていないとパニックに陥ってしまい思いもよらぬ失敗・マナー違反となってしまうことも少なくありません。キリスト教の葬儀に参列する場合には故人や遺族に配慮をして、参列したいものです。
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