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ゲシュタルトの祈りは、本では教えてくれない意味や解釈があります。効果のない祈りがここまで広がる事はなく、一定の評価があるその理由を解説します …
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ゲシュタルトの祈りは世界的に有名な祈りの1つです。
私はあなたの期待に応えるためにこの世界にいません、という言葉をレゲエアーティスト(ピーター・トッシュ)が引用しトレンドとなりましたが、元ネタはゲシュタルトの祈りからです。
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ゲシュタルトの祈りとは
ゲシュタルトの祈りはゲシュタルト療法の中で使われる祈りです。
ゲシュタルト療法を唱えた心理学者フレデリック・サロモン・パールズ(Frederick Salomon Perls)によって広まり、パールズはドイツ系のユダヤ人ですからユダヤ教の祈りだと言う人もいます。しかし、ゲシュタルトの祈りは宗教性のある祈りではありますが、宗教以外にも様々な心理学や哲学などのエッセンスが詰まった祈りです。
敢えて宗教性を紐解くならば、東洋の宗教(特に禅)の影響が強いとも言われています。日本では知名度が低いのですが、ゲシュタルトの祈りでよく使われる壁紙(ルビンの壺と呼ばれる騙し絵)を見た事がある人も多いでしょう。
私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。
ゲシュタルトの祈り(日本語訳)
ゲシュタルトの祈りの意味や解釈
ゲシュタルトの祈りには意味があります。
パールズがゲシュタルトの祈りで伝えたかった解釈とは、過去や他人に焦点を当て考えるのではなく、いま自分が何をしているか、したいかに焦点を当て考える事が自分の欲求を満たすために必要だと言っているんです。
現代では様々な人間関係の中で生活するため、つい他人と比較したり、他人に影響されたり、自分を見失ってしまう場面も少なくありません。他人は他人、自分は自分と割り切って考える事ができると気づいた時、あなたの世界は開かれ今よりも美しくなるという考え方です。
ゲシュタルトの祈りは英語でどう表現する?
ゲシュタルトの祈りは英語でなく本来はドイツ語です。
ゲシュタルト(Gestalt)とはドイツ語で形、形態、状態を意味します。ゲシュタルトを英語で言えば Shape ですが、ゲシュタルトの祈りをShape prayer などと英語にせず Gestalt prayer とドイツ語と英語を合わせて表現するのがネイティブたちの通例となっています。
ゲシュタルトの祈りの日本語訳は先ほど紹介したので、ゲシュタルトの祈りの英文(原文はドイツ語)を紹介しておきます。ちなみに、ドイツ語の原文は記事の最下部に補足で紹介しておきます。
I do my thing and you do your thing.
I am not in this world to live up to your expectations, And you are not in this world to live up to mine. You are you, and I am I, and if by chance we find each other, it’s beautiful. If not, it can’t be helped.
Fritz Perls, “Gestalt Therapy Verbatim”, 1969
ゲシュタルトの祈りで話題の本
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ゲシュタルトの祈りに興味がある人にはおすすめの本があります。
やはりゲシュタルトの祈りは手軽で、あらゆる時に使える祈りの1つですが奥が深くゲシュタルト療法やゲシュタルトの祈りを生み出したパールズの事を知っておくと理解も深まります。
おすすめの本は記憶のゴミ箱―パールズによるパールズのゲシュタルトセラピー(著;フレデリック・S. パールズ)で、本の題名の通りパールズが自身をゲシュタルトの祈りを使ってセラピーする様子が記録されています。ゲシュタルト療法―その理論と実際(著;フレデリック・S. パールズ)もありますが、こちらは内容が学術的なので人を選びます。
マニアには両方の本をおすすめしますが、お手軽にゲシュタルトの祈りを知りたい人には前者の本をおすすめします。
ゲシュタルトの祈りに効果はあるのか
ゲシュタルトの祈りに効果はあります。
義務や期待に基づいて他人との関係を築いている場合、ストレスを感じる事は少なくありません。ゲシュタルトの祈りによって、義務や期待に基づいて他人との関係を築く必要はないと気づけば、あらゆるストレスから解放される効果はあるでしょう。今の自分にとって、本当に必要なものは何なのか断捨離することができるだけでも効果を発揮してくれるはずです。
ゲシュタルトの祈りとアドラー心理学の共通点
ゲシュタルトの祈りと共通した観点を持っているのがアドラー心理学です。
アドラー心理学は個人心理学とも呼ばれていますが、決して個人主義とは違います。社会で暮らす上でどうしても他人との軋轢は生まれてしまいます。だからと言って、自己中心的な行動をしたり社会を避けるような事を勧める訳でもありません。
集団と個の問題は認めつつ、何をコンパス(指針)とするべきか、それを外部的な要因ではなく自分や自分で行える範囲に絞っているのがゲシュタルトの祈りとアドラー心理学の共通点でしょう。
ゲシュタルトの祈りには返歌があった
ゲシュタルトの祈りには返歌と言われている祈り(詩)があります。
パールズの弟子だったウォルター・タブス(Walter Tubbs)がパールズの死後に「パールズを超えて(Beyond Perls)」という返歌を発表して話題となりました。英語の英文と日本語訳を紹介しておきます。
If I just do my thing and you do yours, We stand in danger of losing each other And ourselves.
I am not in this world to live up to your expectations, But I am in this world to confirm you As a unique human being, And to be confirmed by you.
We are fully ourselves only in relation to each other; The I detached from a Thou Disintegrates. I do not find you by chance; I find you by an active life of reaching out.
Rather than passively letting things happen to me I can act intentionally to make them happen. I must begin with myself, true; But I must not end with myself; The truth begins with two.
W. Tubbs, Beyond Perls
もし私が自分の事だけをして、あなたが自分の事をするなら、我々はお互いを見失ってしまう危険に立たされてしまいます。私自身、あなた自身までも失ってしまうかも知れない。
私は、あなたの期待に応えるためにこの世に生きているのではありません。そうでなく、私はあなたを一人の特別な存在として認めたいのかもしれません。そして、あなたからもそう認められる存在なのでしょう。
私達は、お互いに関わり合っている時点で「私達」です。「あなた」がいなければ本当の「私」は見つけられないかもしれません。私は偶然あなたと出会ったのではなく、人生を歩む中で思いきって手を延ばしたからあなたに触れることが出来たのです。
消極的なまま放置してはいけない、私の今と未来は私自身の手の中にあります。始まりはいつも「たった一人の私」、それは正しいかもしれません。しかし、私は決して「私一人だけ」のまま終わりたくありません。きっと「2人」から真実は始まると信じているから。
まとめ
ゲシュタルトの祈りは便利です。
ゲシュタルトの祈りは、宗教ではなくセラピーやNLP(自己啓発)の人たちに使われる事が多くなっています。それも現代のスマホではありませんが、自分の心の現在地を簡単にセルフチェックできる祈りだからで、知っておいて損はありません。
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あとがき
ゲシュタルトの祈りに救われた人も多いでしょう。
自分だと思っていたものが自分でなかったり、自分ではないと思っていたものが自分だったりする訳ですから。自分の事って思ったより知らない事だらけだと知った時、誰もがちょっとしたショック受けてしまうのは当然です。
補足;ゲシュタルトの祈りの原文(ドイツ語)
ゲシュタルトの祈りはドイツ語で GESTALT GEBET と表現します。
Ich lebe mein Leben und du lebst dein Leben.
Ich bin nicht auf dieser Welt, um deinen Erwartungen zu entsprechen – und du bist nicht auf dieser Welt, um meinen Erwartungen zu entsprechen.
ICH BIN ich und DU BIST du – und wenn wir uns zufällig treffen und finden, dann ist das schön, wenn nicht, dann ist auch das gut so.
GESTALT GEBET
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