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イタコはイタコ芸と揶揄されるものもあります。イタコで有名なのは松田広子さんですが、イタコの意味、口寄せ、嘘の見抜き方、恐山での料金相場など解説しています …
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第2回 イタコは本物に相談しなきゃ意味がない理由【偽物に騙されるな】
イタコは嘘か本当か。
信じるものは救われると言いますが、何でもかんでも信じてさえいれば良いと言うのは問題があります。悲しい事ですが、無知な人を騙して商売している人も中にはいます。騙されず、本物のイタコに相談するため事前に最低限の情報はチェックしておきましょう。
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イタコとは
イタコは東北の巫女の呼び名です。
東北以外では呼び方が違い、岩手や宮城ではオガミサン、山形ではミコやオナカマ、秋田ではイチコ、福島ではミコサマなどと呼ばれています。イタコの仕事は大きく分けて4つあります。亡き人の霊を降ろす口寄せ、心身の不調や家庭内のトラブルを祓うお祓い、オシラ様遊ばせなどの神事、そして占いです。
地元の風習として、どの家も家族にトラブルが起きたら、近所のイタコに相談するというのが通例です。
イタコ芸
イタコ芸と揶揄されているのは幸福の科学による霊言です。
幸福の科学と呼ばれる新興宗教の名物に、霊言と言われる奇跡があります。霊言とは教祖である大川隆法の巨大な霊能力を使って、あの世の霊存在の言葉を語り下ろす現象です。
信者だけでなく公開霊言もあるため、全国の幸福の科学の精舎 ・支部に行くと誰でも閲覧できます。イタコ芸と呼ばれる所以は、あの世の霊存在の言葉を語り下ろすという共通点がありますが、イタコは関係の深い人しか口寄せする事はできないため違いがあります。
最後のイタコと呼ばれる松田広子
松田広子は最後のイタコと呼ばれています。
現役で活動しているイタコは10名以下と言われ、イタコの高齢化が進み40代のイタコは2名いるようで、その中でも松田さんがイタコで最年少(年齢ではなく一番若い弟子)という事から最後のイタコと呼ばれるようになりました。書籍出版や占いコンテンツのリリースなどでイタコ業界の中では最も認知度があります。
ネットから気軽にイタコにコンタクト(予約)を取れるのも松田さんしかいません。
イタコの意味
イタコの語源には諸説ありますが、はっきりわかっていません。
神に関わる仕事をする人、神の言葉を伝える人を、古代から巫女やイタコと呼んでいた事が始まりだと言われる説が最も有力です。イタコ=口寄せのように言われていますが、地元の人達からすると口寄せは本来はお盆やお彼岸など期間を決めて行われ、普段のイタコはお祓いや占いなどで家庭の問題を解決し、神事を執り行う町のよろず相談所のような存在だと言われています。
イタコには「目に見えない特別な力」があると言われますが、その意味をはき違えてはいけません。イタコに出来る事はあの世に旅立った仏様とこの世の人を繋ぐ事、また神仏の力を借りてお祓いや神事を行う事です。未来を予測したり、動物の霊を降ろしたり、行方不明者を探したりする事は期待できないでしょう。
イタコの口寄せ
イタコの口寄せは生者と繋がりのある仏様の橋渡しと言われています。
そのため、身内か生前に縁の深かった人が対象となり、関係のない人物(芸能人や有名人など)は口寄せできません。イタコの口寄せは、1回に15分前後が目安で基本的に名前と生年月日を頼りに仏様を降ろします。その他、間柄や、故人の亡くなり方をイタコに伝える事でより深く口寄せが可能となると言われています。
口寄せは故人を呼び出し、大切な人を亡くして出来た心の穴を少しだけ埋めてくれるかもしれません。イタコに口寄せを依頼する人の多くはあの世へ旅立った人への思いを断ち切ることが出来ない場合です。
イタコの口寄せは、降りてきた仏様に対して思いを伝える事でスッキリできる(故人への執着が消える)と言われています。心の整理がつき、仏様を前にして、それまで受け入れられなかった死をようやく受け入れる事が出来るようになり、心穏やかに故人の供養が出来るようになるのです。
イタコと恐山
イタコは恐山にいます。
しかし、一年中恐山にいる訳ではなく、一年の夏と秋のお祭り(夏の大祭と秋詣り)の期間だけ恐山に滞在し、恐山菩提寺の門塀の周辺にイタコが並んで口寄せを行なっています。それ以外の期間のイタコ達は、八戸市を中心とした県東部(青森県南部)や弘前市を中心とする県西部(津軽地方)に暮らしています。
恐山が霊場として開かれイタコ(巫女)が口寄せをするようになった時期ははっきりせず諸説あるものの昭和30年代に行われた学術的調査では明治後半とも言われています。特別な力を得るため修行僧や修験者が訪れ、少数ではありますがイタコも師匠上がりと呼ばれる修行の一環としてお山詣りをした事が、霊場恐山とイタコの関わりが始まったきっかけだと言われています。
恐山が最も賑わう夏の恐山大祭(7月20〜24日)と秋の恐山秋詣り(体育の日を最終日とした10月の3日間)には参拝客が2万人も訪れると言われています。地蔵菩薩が死者を導く恐山とも言われ、故人の魂が集まる霊山として有名で、恐山の独特な光景は日本中どこを探してもないと言われ、「あの世」が仮にあるとするならこのような場所だと信じられています。
イタコは嘘つき
イタコは嘘つきという人もいます。
イタコに批判的な口コミの共通点があり、それは本物のイタコに相談せず、よくわからないイタコに相談しているという事です。ネットで、電話でイタコに相談できる占いがあり、そのWebの多くは霊能力者と自称していますが実際にイタコかどうか疑わしいものです。
現役のイタコは10名以下とも言われ、多くは高齢化しています。そんなイタコがWebに溢れているのはなんとも不思議な光景です。イタコが嘘つき、当たらない、のではなく偽物のイタコに騙されたと言っても過言ではないでしょう。
勿論、イタコは口寄せの他に占いなども行いますから、占いが外れ嘘つきと呼ばれる事もありますが、そもそも全ての占いは「当たるも八卦当たらぬも八卦」と言われるように、占いに依存するのは危険です。
イタコの料金(値段や予約方法)
ネットで予約可能なイタコで、信用できる筋は南部イタコ6世代の松田広子さんしか現在いません。
そうでなければ、イタコの多い東北(青森県南部、津軽地方)に直接行ったり、役所に電話して相談したりするしかありません。そのため、松田さんの口寄せ料金は公式HPによると3000円〜のようです。
〜というのは「心付け」と呼ばれる基本料プラス気持ちで払って下さいという事です。イタコの口寄せは一般的に自宅の一室で口寄せを行いますから、青森県八戸市内で行われます。また、一般的なイタコの料金(口寄せ)も恐山の相場では3000円のようです。あまりにも法外な値段だと偽物の可能性があるので注意しましょう。
イタコの修行
イタコの修行は簡単ではありません。
修行は住み込みの弟子入りのようなもので、師匠の家の掃除や洗濯、炊事などを手伝う事から始まります。目の不自由な子供が見知らぬ家で家事や雑事をこなす訳ですから、慣れるまでどれほど苦労するか想像できません。
イタコの仕事では全てにおいて、経文と祭文が唱えられます。口寄せやお祓いには京文を、神事には祭文を唱え、何十種類にも経文や祭文を覚えなければいけません。数秒で終わる経文もあれば、最も長い祭文は1時間を超える長さも存在します。
イタコ独自の経文や祭文だけでなく、般若心境や観音経などのお経、神社で唱える祝詞も必要で、他にもお祓いや占いの方法など、挙げればキリがありません。
基本的に、イタコは目が不自由なため耳で聞くだけで覚えなくてはならないため、イタコの修行は並大抵ではないのがわかるでしょう。イタコになるための総仕上げの修行は「師匠上がり」と呼ばれ、入門して早いもので1年、遅いものになると5年以上の修行が必要だと言われています。
イタコで男はいるのか、なれるのか
イタコは巫女ですから、男は基本的にいません。
故人との仲介をする口寄せや神事などを始め、巫女という役目がイタコの仕事には多く男性では成り立たない事が多いためと言われています。また、イタコは目の不自由な女性の仕事でしたが、目の不自由な男性の仕事は鍼・灸・マッサージなどで生計を立てるなど他の職業に就くのが一般的なようです。
まとめ
イタコに全てを委ね、悩みを解決しようしてはいけません。
人生に迷った時に信用できるのは、親でも先生でもなく、自分自身です。誰が何と言おうと、自分が進みたい道は自分で探してゆくしかないのかもしれません。イタコに漠然と相談する前に、自分の考えを自分なりにまとめておくのは必須です。
あとがき
イタコの多くは目が不自由になり、止むを得ずイタコという職業を選んでいました。
目が不自由でも出来る職業は鍼灸マッサージなどもありますが、当時(昭和の中頃まで)の東北では目の不自由な女性が自活できる道はイタコだけだったようです。
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